2011年8月13日土曜日

なんでいつも宝塚西トンネルで渋滞?(再考)

 以前別のブログで「何故いつも宝塚西トンネルで渋滞する?」というタイトルで文章を書いた。その時は話の中身が半分以上滝の訪問記だった。だから検索で「宝塚西トンネル 渋滞」などでたどり着いた人には物足りなかったに違いない,と思い,今回は渋滞の話だけを書こうと思う。

 ネットで渋滞のことを調べるといろいろ出てくるが,質問サイトの答えだといまいちよくわからないことが多い。というか,この人達は何を書いてるの?というものが多い。質問する方も答える方も知らなさすぎるなぁ,という印象を拭えない事が多い。きっとほんとに知ってる人は答えるのがあほらしいんちゃうかなぁ?

 ま,それはさておき,なんで渋滞って起こるんでしょ?それは単位時間(例えば1分とか1時間とか…)にその道のある地点を何台の車が通過できるか,という量(道路の瞬間通行可能台数とでも呼びましょうか?)よりも多くの車が通過しようとするから,というのが答え。いかなる状況でも結局はこのために渋滞が発生してしまう。

 それでは,その道路の瞬間通行可能台数って何で決まるのか?仮想的に(頭の中で勝手に考えるという意味)道路の上に横線を引いてみる(停止線みたいな線があるとしてみる)。単位時間(ここでは1分とする)にそこを通過できる車は,速度が時速 60 km ならその横線から 1 km 以内にいる車となる(速度が時速 120 km ならその横線から 2 km 以内にいる車となる)。簡単のために車はみな同じ乗用車としよう。速度もみな同じで,かつ一定の速度として問題を簡素化しよう。実際にはいろんな大きさの車がいろんな速度で走っているからこんなに単純じゃないけど…。

 1 km の中に何台の車があるか?1台の長さを仮にすべて 5 m とし,車間距離がみな15 m としてみよう(車3台分開いてる計算やね。高速道路で推奨される車間距離よりずっと短いが,とりあえず計算ということでお許しを…)。すると,1台あたり 5 + 15 = 20 m の長さを占有しているから,1000 m の中には 50 台の車が入っていることになる。つまり,長さ 5 m の車が車間距離 15 m を保ちながら時速 60 km で走っていると,1分当りに特定の地点を通過できる台数は 50 台ということになる。これは1車線分の計算なので,車線が増えると瞬間通行可能台数は倍増する。

 この計算を見直してみると,(a) 速度が速いほうが多くの車が通れる,(b) 車間距離が短い方が多くの車が通れる,ということがわかる。車間距離は速度によっても違うのでここまで単純ではないが,道路を走っている車の台数は瞬間的には変わらないので速度が低下すると瞬間通行可能台数が減り渋滞の原因となるということができる。当然,通行している台数が少なければ渋滞は起こらないが,お盆や正月,ゴールデンウィークなど車の台数が増える時期には,いろんな場所で速度低下が起こって渋滞になりやすい,ということになる。

 じゃあ,どこで速度の低下が起こりやすいか?それを高速道路で考えてみよう。高速道路で渋滞が起こりやすいポイントは,(1) 料金所や出口付近,(2) 上り坂手前,(3) トンネル手前,(4) 合流や車線数が減少する手前,(5) サービスエリア手前,ぐらいかなぁ?まだあるかもしれないけど,いずれの場所も速度低下が発生しやすいため,渋滞が起こりやすくなっている。それぞれのポイントについてもう少し具体的にみてみよう。

(1) 料金所や出口付近
 料金所では料金を払わないといけないので,どうしても速度が落ちる。昔はみな係員の人に手渡しで料金を払っていたので,鈍臭いドライバーがいるととても時間がかかっていた。なんで事前に金を準備しとかへんねん?と思ったものだ。そのため,単位時間に通過できる台数は極端に少なかった。となると,渋滞が起こりやすいのは当たり前。渋滞しやすい料金所ではブースが10個以上あったりするが,それでも足りなかったねぇ。最近は ETC が導入されてかなりましになった気がする。また,出口では(当然?)一般道に出るのだが,一般道には信号機があり制限速度も違う。そのため一般道と高速道路では単位時間当りの通行可能台数は必然的に違ってくる。すると,車が増えてくると出口で渋滞ってことも起こりうる。

(2) 上り坂手前
 実はこのポイントが一番渋滞の原因となりやすいらしい。宝塚西トンネルもこれが原因だと思っているが,宝塚西トンネルの話は後にしよう。
 上り坂にかかると一般に車の速度は低下する。慣れたドライバーなら,上り坂にかかるとアクセルを少し踏み込んで速度の低下を抑えるが,サンデードライバー(この言葉もなんか古臭く感じるなぁ)だと極端に速度が低下する事が多い。きっとメーターを見ないで運転してるんちゃうかなぁ?メーターを見ながら一定の速度で走る練習をしないとあかんと思うなぁ。関西だと(関東はめったに走らないからよく知らない)名神の瀬田西付近(瀬田川を越えるために下がってから上る)や高槻バス停付近(地形のため下がってから上る),中国道の宝塚から西に向かう上り,などかなぁ?昔,近畿道北向きの新幹線高架下が渋滞のポイントだったのだが,最近は解消されている。それは新幹線高架下の車線を増やして瞬間通行可能台数を増やしたから。2車線が3車線になり,通行可能台数が 1.5 倍になって渋滞はほぼ起こらなくなったみたい。同じく,名神の高槻バス停付近や中国道の宝塚の西向きの上りは登坂車線があったりもともと3車線だったりするので,いうほど渋滞は起こってないと思う。しかし,名神の瀬田川付近では上り線も下り線も車線を増やせないので渋滞が起こりやすくなっている。あの辺りは住宅地なので車線を増やすのは難しいと思う。だから京滋バイパスを作って車線を増やした,んだと考えている。それでも渋滞しているが…。西向きの京滋バイパスへの進入路が1車線なのがあかんのちゃうかなぁ??

(3) トンネル手前
 ここも速度の低下が起こりやすいポイントである。理由はトンネルは暗くて狭いため,サンデードライバーはすぐに速度を落とすから,である。別に車線の中を普通に走っていればトンネルの壁にぶつかることなんてないのに,何故か速度を落とすドライバーが多い。その対策としてトンネル内を明るくしている事もあるが,狭さを解消できないので根本的な解決にはなっていない,ということも多い。私はトンネルに入ると速度を上げたくなる人なので,その点は大丈夫だと思っている。

(4) 合流や車線数が減少する手前
 合流すると当然車線の数が減る。2車線の道に1車線で合流し,その後で2車線であれば,元は3車線あったものが2車線に減ったことになる。合流がなくても工事の都合で片側2車線だったものが片側1車線の対面通行になる場合などもある。そのような場合は車線が減るので,当然通行可能台数は減る。そうなると車が多いと渋滞になりやすい。海南湯浅道路の北向きの有田付近ではそれがひどかった。以前,有田の前後は片側1車線の対面通行だったのだが,湯浅の入口である程度の台数が海南湯浅道路に入ってくるため,有田の合流でいつも渋滞となっていた。おまけに有田から北は上り坂の長いトンネルが続くという最悪の状況だった。2011年の初夏に北向きも有田から北が片側2車線となったおかげで,渋滞も減っていると聞いている。ちなみに海南湯浅道路の南向きはもうちょっと以前から有田より北の区間で片側2車線になっていた。

(5) サービスエリア手前
 車が少ない時はいいが,車が増えてくるとサービスエリアの駐車場がいっぱいになってしまうことがある。そうなると新たに車が進入できないので,渋滞の原因となることがある。これだけは簡単には解消できない。一番いいのは,君子危うきに近寄らず,ということで,渋滞しそうな期間に渋滞しそうな区間に近づかない,という作戦しかないやろねぇ…

(6) 東向き宝塚西トンネルでの渋滞について
 中国道の宝塚西トンネルで渋滞がよく起こるのだが,その渋滞は下り坂が続く東向きで発生する。西向きでもGWなどは渋滞するが,ここでは東向きの渋滞について考えよう。

 時間帯はいつも休みの日の夕方(平日はよく知らない…)。下り坂なのになんで渋滞するの?と思うが,中国道の宝塚インターより西側にはトンネルが3つある。宝塚西トンネルはその2番目であり,以前はトンネルがあるから渋滞するのでは?と考えていた。しかし,トンネルは3つあるのだから,渋滞するなら最初のトンネルじゃないのか?と思う。でも渋滞は2番目で起こっている。トンネルで渋滞が起きにくいように宝塚西トンネルの中は明るくしてあるのだが,それでも渋滞は発生してしまう。

 その原因は何かというと,(a) そもそも車の台数が多い,(b) 宝塚西トンネルからその出口にかけて少しだけ上り坂になっている,というのが原因(だと考えている)。車が多いのは東に向かう(西から戻る)高速といえば中国道となるからである。阪神高速で神戸を通ってもいいのだが,そっちはそっちで渋滞する可能性もあるし,高速道路から出て阪神高速に入るので料金は上がるし,西側では高速から阪神高速に入るのがややこしいし…,となると宝塚付近は中国道に車が集まってしまう。

 宝塚西トンネル出口の上り坂は実際に走るとわかるが,言うほど大した上り坂ではない。しかし,それまで延々と下ってきた先にあるため,ちょっとした上り坂が大した上り坂になってしまっている。メーターをみてたらわかるが,アクセルを踏み足さないと速度はみるみる低下する。そして大渋滞となる。宝塚より西側では,舞鶴道と山陽道が中国道に合流してくるため,いわゆる「交通集中」となり,渋滞が起きやすい。そこに宝塚西トンネル出口の上り坂というサグがあるために渋滞が起こる,というメカニズム。車線を増やそうにもすでに西宮北インターから宝塚インターにかけては片側3車線あるので,宝塚西トンネル付近で車線を増やすのは難しい。となると,根本的な解決には第二名神が必要やねぇ。

0 件のコメント: