2012年10月17日水曜日

バイクにナビ作戦(その6):SENA SMH10 に挑戦・電源トラブルとその対処

追記)後日,Sena SMH10 のファームウェアをアップデートしたというのを書いたので,そちらも見てみてください。
バイクにナビ作戦(その5):AQUA BOX による防水化に戻る

注意ここの記載にあるような処理を行うと メーカーの保証が受けられなくなると思います。 もし行う場合は,くれぐれも自己責任で行なってください。 ここの記述を見て作業したと言われても責任はもてません。 また,ここでの作業はとても繊細な作業が要求されます。 自己責任で作業される方は壊れても仕方ないという覚悟を持って作業してください。
 ポータブルナビ・GARMIN 社製 nüvi3770V とつなぐために Bluetooth Intercom を購入してみた。 当初,サインハウスの B+COM を候補にしていたが,なにせ高価なので二の足を踏んでしまった。 しかし,いろいろネットで調べていると, 韓国の SENA 社製の Bluetooth Intercom である SMH10 が良さそう,というのを知った。 ネットで購入すれば,並行輸入品だと B+COM の半額以下になりそうだった。 馴染みのバイク屋で聞くと何かあった時の対応がよくない,と言われたが, 思い切って並行輸入品の SENA SMH10 のデュアルバックをネットで購入してみた。 製品はアメリカからの輸入品だった。当然説明書は英語。 デュアルパックなので一つの箱に全て2個ずつ入っていた。 さっそく,2個のうちの一方を満充電にして磐梯・谷川ツーリングにつけて行ったのだが, 走りだして1時間もするとバッテリーがなくなってしまった。 ネットで見ていた限りでは普通に10時間以上使えるはずなのに,それが1時間ぐらいしかもたなかった。 磐梯・谷川ツーリングではとりあえず1セットしか持って行ってなかったので, 仕方なく SMH10 なしでツーリングを乗り切った。

 磐梯・谷川ツーリングから帰った後でツーリングに持っていかなかった方の SMH10 をテストしてみた。 テストの方法は,SMH10 を nüvi3770V と Bluetooth でつなぎ, nüvi3770V で音楽をかけてそれを SMH10 で鳴らし続けてみた。 nüvi3770V は途中でバッテリー切れを起こさないように AC アダプターにつないでおいた。 その状態で SMH10 が何時間もつかを試した。 その結果,少なくとも9時間は正常に機能していた。 後日ツーリングで使ってみたところ,高速道路だと風切り音で多少聞き取りにくい事もあったが, 一般道では快適に聞き取ることができ, タラタラしたペースで走っている時でも気晴らしに音楽を聞きながらツーリングすることができた。 このマシンはなかなか使える。

そうなると不調の方の一台が気になる。 そこで不調の方も同じテストをしてみた。 すると,やっぱり1時間ぐらいで SMH10 が止まってしまった。 どうやら電源周りが不調の原因みたい。 初期不良だからと SENA の国内の代理店にメールで問い合わせてみたが, 国内の代理店は国内の正規のルートで購入したものしか相手にしてくれない,とのことだった。 米国から並行輸入とは言え,正規品なのだから国内で受け付けてくれてもいいのになぁ…。 仕方ないので,senabluetooth.com(国内は senabluetooth.jp )に英語で問い合わせてみた。 すると英語で返事が来て, 保証を受けるためにはシリアルナンバーや支払いをした時のネットの画面のコピーなどを送れ, とメールがきた。 それらはすぐにできたのだが,問題は保証を受けようと思ったら, SMH10 をアメリカまで送らないという点だった。 実は SMH10 は Li-Polymer 電池を内蔵している。 2012年10月現在,Li-Polymer 電池および Li-Polymer 電池内蔵機器は送付がかなり面倒。 特にアメリカ向けの場合,2013年1月1日までは郵便局経由では受け付けてくれない。 2013年1月1日以降は規制がましになるという話が出ているがまだ不確かだし…。 そうなると Fedex,DHL,UPS ぐらいしかやってくれない…。 しかし,メーカーによる製品の内容の証明書みたいなものが必要だし,パッキングにも制限がある。 おまけに送料だけで往復 6,000 ~ 12,000 円ほどかかってしまう。

 そこまで手間と金をかけてもなぁ,と悩んだ末に, 保証外になるのを覚悟で不調な SMH10 をばらしてみることにした。 まず疑ったのは充電池。 開けてみるとリチウムポリマー電池 (今後 LiPo 電池と記載) がはいっていた。 LiPo 電池は両面テープでつけてあったが, それを強引にはがすと,裏に情報が印字してあった。 そのLiPo 電池は,3.7V 560 mAh 2.07 Wh と書かれてあった。 サイズは厚み 6.0 mm,幅 22 mm,長さ 48 mm のものだった。 そのため型式番号が E602248 となっていた。 LiPo 電池は取り扱いが難しいらしいが,その充電池は保護回路がついたもので, ケーブルは赤と黒の2本しか出ていないものだった。

そこで LiPo 電池をなんとかしてテストしたかったのだが,接続用のコネクタで少し手間取った。 SMH10LiPo 電池のコネクタは Molex 社製の PicoBlade (1.25 mm ピッチ) の物(あるいは互換品)だった。 最初は LiPo 電池でよくある 2.0 mm ピッチの JST 2.0 だと思ったのだが違っていた。 この PicoBlade (1.25 mm ピッチ)(および互換品)はとても小さく, コネクターから配線を出すのは専用の圧着工具が必要みたい。 圧着工具は ENGINEER 社の精密圧着ペンチ PA-09 を使えば付けれるが, PA-09 でも 3500~5000 円程度するので馬鹿にならない。 今後もいっぱい使う予定があれば買ってもいいが,そんなになさげやし…。 と思って探していると,aitendo さんの web shop で2極でケーブル付きのものを売っている。 ハウジング(メス側?)プラグハウジング(オス側?)も売っているみたいなので,それを買って作業することにした。

とりあえず遊びで買っていた 2000 mAh のLiPo 電池を使って SMH10 を駆動させてみた。 電池の容量が約4倍あるので,もし電池が正常なら40時間ぐらい働いてもよさそうだったが, 実際には4時間程度でやはり SMH10 が止まってしまった。 どうやら電池はなく本体側に問題があるみたいだった。 そこで,蓋を開けた状態で見える側の基盤(基盤の裏側)をじっくりとみてみた (基盤は本体にくっついたまま)。 すると LiPo 電池のコネクタのそばのハンダ付け付近で 何かがちょっと隣にはみ出してるように見えた。 そこで,先の細いピンセットでコリコリやってはみ出しを取ってみた。 多分,半田のヤニだろうと思っている。 そして,本来のバッテリーを戻して上記と同じようにテストしてみた。 しかし,結果は同じく1時間で止まってしまった。 その時点でやる気が一気にトーンダウン。 その時は,もう諦めてバイクにシガーソケットをつけて, そこからカーアダプター用のケーブルで電源を供給しながら使おうかなぁ,と思ってしまっていた。

そして数日そのままにしていたのだが,諦めきれずになんとかならないか,と考えていた。 そこで,ふと基盤を本体からはずしてみようと思った。 きっとジョグダイヤルを外せれば基盤を本体から外せると踏んで,ぐっと力を込めてみた。 すると,なんと何も壊さずにジョグダイヤルを外すことができ,無事基盤を取り出せた。 そして基盤の反対の面(基盤の表面)をじっくりと観察してみた。 裸眼で見ていてもどこが悪いのかよくわからなかったので, デジカメで接写し,それをコンピューターで拡大しておかしな点がないかを探してみた。 抵抗が焦げてないかとか,コンデンサーが膨らんでないか,とか。 すると,表面にも半田付け付近で何かが隣にくっついているように見える所があった。 それは本体とマイク・スピーカーユニットをつなぐコネクタピンの基盤へのハンダ付け部分だった。 6本ずつ2列に合計12本端子があるのだが,その角の1本の根本が隣につながっていそうだった。 こちらも金属というよりは樹脂っぽい感じのものでブリッジされている感じだった。 そこでその部分を虫眼鏡片手に先の細いピンセットで慎重に丁寧にコリコリと削りとってみた。 結果を虫眼鏡で見るとハンダ付けのシマと隣のシマの間に隙間が見えた。 どうやらうまくいったみたいだった。 しかし,ほんとにヤニみたいな物が回路の動作に多大な影響を与えているのかは疑問だったが, とりあえずは変化があったのでテストしてみることにした。 そしてバッテリーを戻してのテスト。 すると,なんと12時間経っても無事 SMH10 は電源がオンのままだった。 午後からテストして,夜中放置したまま寝てしまったが,明け方になってもまだ電源はオンだった。 これでやっと SMH10 がまともに使える状態になった。 Fedex や DHL を使わずに済んだしとってもラッキー!! いやぁ,よかったよかった。

注意:ネジを外すとネジ止め剤が取れてしまう。ということは若干防水効果が薄れていると思われる。 なので,もし蓋を開けたら,後でネジの部分に弱いネジ止め剤かグリスを塗っておく方がいいと思われる。

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