2011年10月27日木曜日

ツーリングのプランニング

 今回はツーリングのプランニングについて書いてみようと思う。
特に一泊以上するような場合のツーリングのプランニングについて,どのようなポイントを押さえながらプランを作るか,について書きたいと思う。

 一例として,関西から一泊二日で草津温泉から志賀高原に抜けて帰ってきたツーリングを例にとってみる。
そのツーリングは,初日早朝に関西を出発し,中央道,長野道,上信越道を通って,横川に行った。
そこで,横川の鉄道文化村を見て,峠の釜めし屋で昼飯を食べ,明治時代の碓氷峠越えのレンガ造りの眼鏡橋を訪れ,
軽井沢に抜けた。軽井沢から白糸ハイランドウェイと鬼押ハイウェーを走って,草津温泉に行き,そこで泊まった。
途中,白糸の滝や火山博物館横にある浅間記念館(バイク博物館)を訪れた。
また,鬼押ハイウェーから草津までは,MVアウグスタに乗ったおじさんに勧められたパノラマライン北ルートを走った。
草津温泉には夕方早くに着けたので,大滝乃湯で草津温泉を堪能し,宿で勧められたお店で馬刺しなどを食べた。

 二日目も朝から活動し,草津白根山の湯釜を訪れ,国道292号線(志賀草津道路)で志賀高原に抜けた。
途中,横手山にリフトで上がって,山頂のヒュッテできの子セットを食べた。
その後,奥志賀公園栄線(奥志賀林道)を通って野沢温泉へ抜け,関田峠を越えて,直江津から北陸道を走って帰った。

 このツーリングを例にしてプランニングについて書いてみる。

(1) まずはメインの目的地(目的)を決める。
 ツーリングに行く以上はなんらかの目的を持っているはずである。
その目的は,どこかの道を走りたいとか,どこかの温泉に行きたい,
どこそこの美味しいものを食べに行きたい,紀伊半島をバイクで走りたい,など様々考えられる。
もしかしたら,ちょっとぶらっと走りたい,だけかもしれない。
しかし,何らかの目的や目的地があるはずである。
まずはそのハイライトとなる目的をはっきりさせる。

 多くの場合はそのハイライトとなる目的地が出発地から一番遠くなる。
従って目的地をはっきりさせることで,どこまで行くのかが決まることになる。
上記の草津温泉・志賀高原ツーリングでは,「国道292号線(志賀草津道路)を走る」というのがメインの目的であった。
そのため,草津温泉まで行き,志賀高原から帰る,というのがツーリングの骨格となった。

(2) 日程を決める。
 ここでいう日程とは具体的な日付ではなく,一泊二日で行くのか,二泊なのか?などの日程である。
当然目的地までの距離や,ハイライト以外に行きたいところがどれだけあるか,などによって変わるが,
どの日程で行くかでハイライト以外にどこにいけるかが決まるので,どこかの時点で日程を決心しないといけない。
どうしてもなら後で変更すればいいことだし。

 この際,できるだけ各日の最後に余裕を持たせておくのがよい。
どうしてもツーリングは計画通りにいかず,遅れていくものである。
何かあると1~2時間はすぐに遅れてしまう。
なので,宿に夕方5時頃つけるぐらいにしておくと何かと都合が良い。
早く着いたら早く着いたでゆっくり休憩すればいいし。

 上記の草津温泉・志賀高原ツーリングでは,私自身の日程に余裕がなかったので一泊二日にした。
できれば二泊三日あると楽だったのだが…。

(3) 宿泊地とハイライトの目的地にいつ行くか,を決める。
 日程とハイライトとなる目的地が決まれば,後は具体的な行程を考えることになる。
その際のポイントとして,宿泊地とハイライトを日程のどこに配置するか?というのがある。
宿泊地は温泉に泊まりたいとか,キャンプがしたいなど好みの問題なのだが,
宿泊施設がそれなりにある都市でないと宿泊できない。
どこに泊まるかで,ルートは大きく違ってきたりする。

 宿泊地が決まれば,次はハイライトとなる目的地にいつ行くかを決める。
これは目的地や,途中のルート,個人の好みで変わるが,まずハイライトに行く,あるいは,最後にハイライトに行ってその足で帰る,
日程の真ん中でハイライトに行くようにする,などがある。宿泊地とハイライトの配置により,プランニングがより具体化する。

 上記の草津・志賀ツーリングでは,宿泊地を草津温泉にした。そしてメインディッシュの志賀草津道路は2日目の朝としてみた。
つまりは日程のほぼ真ん中にハイライトを持ってきたことになる。
これは毎回同じではなく,このツーリングでのいろいろな要素からそれがいいと判断して決めている。

(4) ハイライトとなる目的地までの大まかなルートと大体の距離,時間を求める。
 次に必要なことは,ハイライトとなる目的地までの距離と時間である。
そのために行き帰りの大まかなルートを決めないといけない。
ルートは同じルートを戻ってもいいが,できれば行きと帰りで違うルートの方が楽しいことが多い。
行き帰りで同じルートだと,どうしても帰りがダレてしまう。

 大体の距離と時間を求めるには,高速道路のweb siteに行って,目的地に近いインターまでの距離を知るのが手っ取り早い。
高速を使う使わないにかかわらず,ある程度の距離がわかるので便利である。
それによって,大体の時間や,出発すべき時刻,帰路につく時刻の目安ができる。
場合によっては,日程自体を見なおさないといけないかもしれない。

 上記の草津・志賀ツーリングでは,関西から草津温泉まで 500 km 弱あるので,
高速を使って行くだけで5〜6時間はかかると予想できた。
できるだけ早く草津温泉に着きたかったので,鉄道文化村に朝一番に行きたかった。
そのため,出発は午前2時頃と設定してみた。

(5) 第二,第三などの目的地を決めて,プランに肉付けしていく。
 ツーリングプランの骨格が決まれば,後は肉付けをしていくだけである。
ツーリングマップルやインターネットの地図,ガイドブックなどを見て,
ハイライトとなる目的地以外の第二,第三,あるいはそれ以上の目的地を設定する。

 草津・志賀ツーリングでは,草津温泉に泊まって,二日目に志賀草津道路を走る,としたので,初日に時間ができた。
そこで,横川にある鉄道文化村に行く,という目的と,浅間山の近くを走る,という目的を加えてみた。
また,二日目の志賀草津道路の後で,湯田中にすぐに下りるという手もあったが,
折角なので奥志賀から奥志賀公園栄線(奥志賀林道)を走る,というのも加えてみた。
その他に,お昼ごはんとして,初日は峠の釜めし,二日目は横手山山頂ヒュッテのきの子セットを食べる,を加えた。

 これでほぼプランは出来上がった。後は,具体的な日付と宿の予約などをすれば,実行あるのみとなる。
私の場合,具体的な日程は,出発の前日か二日前ぐらいに決定されることが多い。
私の場合は,ほぼソロツーリングなので日程が自由になる,というのと,折角なら天気のいい日にツーリングに行きたい,
と思っているので,行けそうな時の天気予報がある程度以上良いという時に行くことにしている。
そのため直前まで具体的な日付が決めれない,ということになる。

(6) 他のツーリングの例
 折角なので,他のツーリングの例を述べよう。

(6-1) 信州のビーナスラインを走りに行ったツーリング
 この時はハイライトはビーナスラインを走る,だった。
日程も二泊三日取れたので,日程の真ん中の二日目にビーナスラインを走る,としてみた。
そのため初日は諏訪まで行く,三日目は帰る,というのが骨格となった。
肉付けとしては,往きは名古屋から猿投を抜けて,国道153号線で飯田に出て,
中央道横の広域農道を走り,諏訪に泊まるプランにしてみた。
二日目はビーナスラインの後で馬籠まで下り,馬籠の民宿に泊まるとしてみた。
最後の日は岩村でカステラを買って帰る,とし,早めに帰って疲れを取ることにした。
このプランは実際に上記のほぼ計画通りに走ることができた。やはり二泊三日で信州は楽だった。

(6-2) ヨサクを走ったツーリング
 ヨサクとは四国を縦断している国道439号線のことであり,国内有数の酷道と評されている道である。
その道を,一日で走破したい,と考え,実際に走りに行った。
その時は,ハイライトとなる目的は国道439号線を走る,であった。
この場合は目的達成にかかる時間が長かったが,国道439号線の途中にいい宿泊場所がなかったので,なんとか一日で走破したいと考えた。
しかし,そのまま走って帰るのは危険と思い,日程は一泊二日とした。
初日の一日でヨサクを走破するには,早朝に国道439号線の始点である徳島につかないといけなかった。
そして,ヨサクを走破した後に,終点の四万十市で泊まろうと考えた。
一週間前から計画していたが,最終的に四万十市に宿を取ったのは,前日のことである。
帰りは特にプランがなかったが,一日目が終わった時点で,地図を見ながらいろいろ考えて,
最終的に四国カルストを走ろうと考えて,実際に四国カルストを走って帰ってきた。
この場合は,ハイライトとなる目的でツーリングの距離と時間がほぼ決まってしまう,という特殊なケースだった。
またハイライトだけで満足しそうだったので,帰りのことを考えずに出発した,という若干テキトーな計画だった例でもある。

(6-3) 中国四国の滝を見に行ったツーリング
 これは日本の滝百選を巡っていた頃(未だに日本の百選の滝の全てを制覇できてはいない)のツーリングである。
その前のシーズンに四国の滝を見て回っていたのだが,宇和島近くの雪輪の滝だけ時間の都合で行けなかった。
また,中国地方の滝も見に行ってなかった。そこで,中国地方の滝と雪輪の滝を見に行こうと考えた。
この場合は,ハイライトとなる目的地が複数あったケースである。
しかしプランニング上は,山口県の寂地峡にある五竜の滝と,宇和島近くの雪輪の滝を2大ハイライトとして,
初日に中国地方の滝を順に巡って寂地峡まで行き,二日目に雪輪の滝に挑戦するパターンにしてみた。
いろいろ時刻を決めていくと,初日に山口から福山まで戻れそうだったので,宿泊地を福山にし,
二日目早朝からしまなみ海道を使って今治へ渡り,朝のうちに雪輪の滝に着く計画としてみた。
そして雪輪の滝を昼前に出発して高速でさっさと帰る作戦にした。
一日目に時間があったので宿泊地を四国にしてもよかったのだが,折角なのでしまなみ海道は明るい時間に走りたかった。
そのため宿泊地は福山となった。今考えると尾道の方がよかったかもしれない。
これも実際に走ったが,両日とも約 800 km ずつ走り,2日で 1600 km というかなりのツーリングになってしまった。
さすがに高速を使っても一日 800 km はきつかった。

(7) 今,計画中のツーリング
 最後に,今現在計画しているツーリングについて書こう。今,行きたいと思っているのが磐梯吾妻スカイラインである。
古い雑誌を見ていて走りに行きたい,と思ったのが動機である。

 このツーリングではハイライトは磐梯吾妻スカイラインと磐梯吾妻レークラインである。
他に是非とも行きたい,という第二の目的地が浮かばないので,今のところ,初日の早朝に出発して,
その日のうちにスカイラインを走り,福島か会津若松に泊まって帰ってこようと思っている。
しかし,会津若松まで関西から 650 km ほどあり,行くだけでも大変そうである。
できれば二泊三日にしたいなぁ,と思っている。

 ルートとしては,往きは北陸道を使い,帰りは土合駅(下り線が地下深くにある)でも見て,
上田からR152でも走って諏訪辺りに抜けようかな?と考えている。
まだそれ以上の具体案は決めていないが,実行は来シーズンのGWに,と考えている。結構気長に計画していることになる。
2012年秋に実際に磐梯吾妻スカイラインに行ってみた。
一日目に磐梯山ゴールドラインと磐梯吾妻レークライン,磐梯吾妻スカイラインを走り浄土平に行った。
その後,奥羽本線の峠駅に行き,峠の力餅を食べた。
二日目に日光から金精峠を越え,谷川岳に行き,さらに土合駅を見て帰ってきた。
二日間(正確には1泊3日)で 1800 km 近く走ったので心身ともに疲労困憊となったツーリングだった。

0 件のコメント: